ある木片の思い出

このところ投稿をさぼっている。早出の仕事が続いていつもの散策ができない、というのもあるが、火を見てぼんやりしていることが多いから。暖をとるため庭木の剪定枝などを燃やしているが、昨夜は元流木だったものをくべた。
この木片を拾ったのは帰省していた実家近くの砂浜。恐竜のような形をしていたので。自宅に持ち帰り水槽に沈める。20年くらい昔のことだ。

その頃は、水槽で金魚すくいですくった金魚を飼っていた。その後用水路や田んぼに出かけて、メダカやタナゴを捕まえてきて飼ったこともある。夜店で買ったイモリ、知り合いからもらったランチュウの稚魚などなど・・・いろいろな生き物がこの流木を沈めた水槽の住人になった。

長生きした金魚やイモリが死んでしまったこともあり、昨年思いきって水槽を撤去。(興味の対象が屋外に広がったせいもある)20年間水につかっていた流木は、この1年ばかり軒下で日向ぼっこしていた。あの水を含んで重たかった木がカラカラに乾いて軽石ならぬ軽木になったのにはびっくり。

この木片を燃やしてしまうのにはちょっと躊躇したが、いずれ朽ちてゆくものだから・・・と思い、炎の中に投げ込む。金赤色に染まった木片は、何か爬虫類の皮膚のような紋様を浮かび上がらせていた。     2014-12-03

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